熱量を感じるコンテンツが心を動かす

情報発信力アップ講座の第6回目は「一生学び続ける学びの場のつくりかた」と題し、自由大学の三代目学長、岡島悦代さんを講師にむかえました。岡島さんは日本大学国際関係学部と桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒。デザイン事務所から始まり、様々な企業で経験を積み、その中で自由大学の受講生を経て2012年より自由大学の運営に参加。30種類以上の講義の企画から立ち上げに関わり、2015年6月〜2017年3月まで三代目学長をつとめられてきました。現在は自由大学及びクリエイティブチームのマネジメント&ディレクションを担当されています。

さて、自由大学とはどのような場なのでしょうか。岡島さん自身の思いを交えながら、丁寧に言葉を選びながらお話をしてくださいました。

 

大きく学び、自由に生きる

自由大学は表参道駅から徒歩1分、新しいコミュニティ型の空間COMMUNE 2nd内にあります。「大きく学び、自由に生きる」をテーマにかかげ、知的生命力がよみがえるユニークな講義を展開する学びの場であり、2009年の開校以来、これまでに開催された講義数は2017講義、卒業生は10805名にのぼります。また、大学のあるCOMMUNE 2ndにはシーフード、タイ料理、ドイツ料理、ビーガン料理、コーヒーショップ、ビール、スイーツなど様々な屋台が立ち並び、いわば一つの村のようなもので、遊ぶ、学ぶ、働くがシームレスに体験できる場だそうです。

さて、この「大きく学び、自由に生きる」というテーマですが、大きく学ぶとは、物事を多角的に捉えて新しく有意義な着想を生み出していこうとする思想のこと。自由大学ではその姿勢をクリエイティビティ(創造性)と定義しています。

また自分らしく自由に生きたいという原動力は、時に想像をこえる力をもたらすそうです。だからこそ、自由大学では誰もがクリエイティビティを発揮できる学びの状況を作っていくことをビジョンにしているそうです。

 

一生学び続ける人であれ

自由大学のミッションは「BECOME A LIFELONG LEARNER WITH GURIOSITY.」つまり、「一生学び続ける人であれ」ということ。自由に生きるには、自分を律しないと大変なもの。というのも、自分の軸がないとすぐに周りに服従してしまうから。だからこそ、学ぶことで思考の体力を磨き、自由に生きるための思考の体力を磨き続けることがいいのではないかと、岡島さんは話されていました。

 

熱量がコアな人の心を動かす

後半からは情報発信力アップ講座の監修をつとめられた斎藤潤一さんをモデレーターに迎え、受講者からの質問を交えながら岡島さんとのトークセッションが行われました。

実は齋藤さんも過去に自由大学で受講していて、3年越しの願いが叶い「CREATIVE CAMP in ポートランド」に参加されたそうです。

「自由大学は情報発信一つに対しても、ものすごく熱量を感じるんですよ」と、斎藤さんは話を切り出しました。そこから「情報発信の面では、どうこだわり抜いているのでしょうか」と岡島さんに質問。岡島さんは、「広く多くの人に伝えなくてもいいと思ってます。ものすごくコアな人に届けばそれでいい。私たちは思想のコアのようなものを作りたくて、なんというか思想の濃度を高めるイメージ」と話されました。

また、人との関わり方に、「リアルに会って話をすることを大事にしている」とのことで、名刺の肩書きだけではないものを共有したり、言語だけではないものをキャッチしようとしているそうです。きっとこのような関係の「深さ」が、思考の体力を鍛えたり、コアな熱量の源泉になるのかもしれません。

ここで、斎藤さんから「こういう考えになっていたのはなぜ?」との質問が飛び、岡島さんは「会社勤めをしていた時に、ビジネスライクな関係も楽だけれども、自分の中で煮え切らないものがあり、そこから”何かを生み出す人と生きていきたい”と思うようになりました。元々デザインをしていたので、ものづくりをする人がどういうことを考えて作っているのかとか、背景に興味があったり。また、人々の生活に影響を与えている人のものづくりが好き。ものづくりって伝播するんですよね。」と答えられていました。

また、斎藤さんから「とはいえ、自由大学のことを”もっと”知ってほしいと思うジレンマもあるのでは?」との質問には、「もっと自由大学に人が来てもいいのではないかと思うこともあるけれど、”私たちの伝えたい価値を伝えるには時間が必要なのかもしれない”と思うようにしてます。」と、岡島さん。

さて、最後にまとめとして「情報発信の信条を教えてください」との声に、岡島さんは「まず、やらないようにしていることからいうと、”3つにまとめて伝えやすくしない”ってこと。言い方がアレですけど、書きたいように書いて、それでも来たい人がいたら来てって感じでしょうか。」そこで斎藤さんが、「たった一人の人でいいから、本気の人を来てほしい。って感じなのかな。思想があるからこそ、ペルソナ、ターゲットユーザーがいるんでしょうね」と返すと、「そうそう、ペルソナと言っても、25歳のあの人、っていうよりかは”潤さんだったら”とか、個人を思い浮かべることが多いです。」と岡島さんは話されていました。

また、「私はカルチャーを作りたいんですよね。今、日本には輸入のカルチャーが多いけれども、ある文化の一面を切り取るのではなく、自分たちでゼロから作りたいんです。でも、自分たちでカルチャーをつくるなら、熱量がなければ人は集まらないし、熱量がないとそれは起こらない。だから、熱量を持って伝えることって大切ですよね。」と、最後に締めくくられました。

斎藤さんの引き出す岡島さんの言葉は、澄み切った「岡島さんのリアルな言葉」で、目の前にいる受講生のみなさんも、しきりにメモを取りながら聞き入っていました。

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