1応募1採用が理想の採用のかたち

採用力アップ講座の第3回目の講師は、株式会社モザイクワーク代表取締役の杉浦二郎さん。2015年9月まで製菓メーカーにて人事責任者を務め、2016年4月に株式会社モザイクワークを設立。採用プランニングおよびブランディング構築、採用全般における企業アドバイザーなどを行っています。

開始5分前に受講生が全員揃った状態を見て、「人事って変則的な仕事も多いから、ドタキャンや遅刻が多いのに、ビシッとそろうのはすごい!」とお褒めの言葉を頂きました。

採用を考えるにあたって、私たちは「社会構造の変化への対応」「個の価値観の多様化への対応」、この二つを同時に解決する必要があると初めにお話しされました。本日はその糸口となる採用マーケティングを実例を元にお話ししてくださいます。

 

採用がゴールではない

「なぜ御社は「採用」をしているのですか?」と、質問から講義は始まりました。そもそも採用は、人を採ることが目的ではなく、自社組織をもっと活性化させるために採用をするのです。

また、「どこに採用課題を感じ、どのような対策をしていますか?」というするどい質問が続き、自分の会社にはいったい何が必要なのか、改めて考える時間となりました。

 

採用マーケティングは100人中1人に届けばいい

「採用って極めてシンプル。入社したい人を採用する。ただ、それだけ」と杉浦さんは提示しました。しかし、なぜかうまくいきませんよね。結局、「来たいと思ってもらえない」。この点に尽きます。

採用マーケティングは、顧客創造型のマーケティングとは異なり、100人中1人に届けばいいのです。つまり、100人にひとり、強烈に来たいと思わせることを私たちはしなければならないのです。

よく、「エントリー数が少ない」などという悩みを相談されることもあるそうですが、実はその悩みは考え方を変えれば無意味なこと。「母集団をいかに下げるか。母数を分子にいかに近づけるか。いうなれば、1応募1採用がベスト」と杉浦さんは話されました。分母が多く、分子が小さいのならば、打ち出し方が間違っているのです。採用はどうしても人気投票になりがちですが、人気投票をしたからからといっていい人が取れるわけではありません。

 

人事がまず初めにやること

ここからは、杉浦さんが2015年まで人事責任者を勤めていた製菓メーカーの例を元に説明してくださいました。

担当になった頃の散々だった現状から、最初にやったことは「採用の現状理解と自社としてどうあるべきかを模索」「社内の採用への理解を高める」の2点。

例えば、採用課題の問題点を洗い出すと、「採用が感覚的になりすぎている」「何を観て、何を観ないのかの判断があいまい」「必要ない能力まで求めすぎている」「優秀の定義があいまい」などがあがるはずです。

採用のゴール設定は入社後を見据える

「面接の評価と、入社後の評価は相関しない」ということを理解し、適切な採用のゴール設定をすることも大切です。採用のゴールはもちろん業績への貢献ですが、もっと具体的にイメージできるレベルに落としこみましょう。例えばこの製菓メーカーの場合は「2年後のパフォーマンスが上位であること」をゴール設定にしました。

 

「うけない」という判断を応募者にさせる

よくやりがちなのが、「エントリー数をKPIとし、ただ母数を集めようとする」というもの。結果的にこれは採用担当者の感覚的採用が許されてしまいます。また、結果として落とす作業に時間が割かれ、非効率で本来かけるべき所にリソースが配分されないデメリットがあります。

そのために、応募者が「うけない」という判断できる仕組みをつくることこそ、「受けたい」「入社したい」をつくることになります。つまり、「うけない」という選択をさせるほど価値ある情報は、100人の中で必ず魅力に思う人がいるはずなのです。

 

採用を面接だけに頼りすぎていませんか

求める人材が明確で、本当にその道に長けている人を採用したいのであれば、選考も独自色を出していかなければなりません。例えば、「料理がうまい人には料理をさせる」「走るのが早い人には走らせる」のように、面接以外でその道で光るものを持っている人を採用するしくみをつくることも必要でしょう。そのために、「自社に必要なのはどんな素質を持った人か」改めて考える必要がありそうです。

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