採用活動の成果を高めよう

採用力UP講座の第6回目は「採用活動の成果を高めるためのポイント講座」と題して、講師の曽和利光さんをお招きしました。京都大学で学んだ心理学とリクルート人事部GMとして培った営業スキル・2万人の面接経験を融合しワンランク上の人材を採用する独自手法を確立。リクルート、ライフネット生命、オープンハウスで一貫して人事畑を進み、株式会社人材研究所設立されました。

 

「若者がいない」問題

2015年以降、新卒の求人倍率は高まる傾向があります。一方、採用したい側は「若者がいない」という問題に直面し、日本のどの企業も採用したい人を採用できないことに苦戦しています。さらに言えば、1995年には9万人を超えていた理学部、工学部候補の就職者は2015年には8万人台まで減少し、理系候補者は大幅に減少。また海外志向人材も減少しており、2015年の調査では「海外で働きたいと思わない」という新入社員は過去最高の63.7%を記録し、候補者のグローバルとローカルの2極化が進んでいます。

 

地方企業の生き残りをかけて

人口減少率が高くなるといわれている大都市圏外の問題は、日本全国を見ると宮崎に限ることではありません。そんな中、地方企業の採用成功例をいくつかご紹介いただきました。

例えば、スカウトメディアを用いてダイレクトリクルーティングを実践し、経験豊富な人材を採用できた群馬の企業のケース。また、東京にいる優秀な幹部人材を和歌山の企業が採用に成功したケースでは、面接交通費、引っ越し費用、住居などを企業側で負担し、転居を伴う転職のハードルを下げたことがカギとなりました。

基本的には「求職者の負担をいかに減らすか」が重要で、出張面接、現地下見の費用を企業が負担、住居を提供するなどの工夫も効果があります。

 

リアル接触率を上げる

これまで多くの内定先調査のデータから、優秀な人材は「辞退者」>「内定者」>「不合格者」になるそうです。つまり、辞退者を減らすことが重要であり、そのために各選考プロセスの歩留まりを上げることが採用力を向上させるのです。

具体的には、ナビからプレエントリー(個人情報を開示するだけ)を重視する企業は多いが、プレエントリーからのリアル接触(採用イベントへの参加)を重視する企業は残念ながら少ないのが現実。大半の企業のリアル接触率は30パーセント程度(曽和さんの知る最大値は60%)。ここを改善するにはためのいくつかの方法を教えてくださいました。

改善のポイント
・ESなど持参書類を減らす
(応募のハードルを下げる)

・説明会の拘束時間を長くしない
(例えば、説明部分はWebで行い、質問だけリアルな場を設ける)

・待たせない
(というのも、エントリー直後が最も反応がいいので)

・電話の活用
(就活モードになった学生は電話を取るようになる)

・受け皿企画を面白く、説明会参加をマストにしない
(候補者にとって最もつまらないのが「知らない企業の会社説明会」)

 

ES合格率

選考の際における歩留まりは「ES合格率」「適性検査合格率」「面接合格率」「途中辞退率」があげられますが、その中の「ES」について考えみましょう。

そもそもの話、例えば「ESで50%落とす」という手法の精度には、疑問が残ります。そこで改善するポイントとしてあげられたのが「そもそも廃止する」「Open ESの導入」「書いてから持ってこさせるのではなく、来てから書かせる」「適性検査など、より精度の高い選考手法へ変更する」など。ここでも候補者の負担を減らす工夫が必要なようです。

 

内定辞退率

最後の歩留まりは内定辞退率。母集団形成までは戦略や企業の採用ブランドに強い影響を受けますが、内定の場合では、採用担当者の個人的な戦闘力によって大きく左右されます。戦闘力とは、言い換えるならば「フォロー力」。担当者のフォロートークの向上や意思決定サポート力を向上させることが重要です。

すぐに改善が行えるような具体的な方法を学んだ各企業の人事担当者のみなさん。それぞれの会社が意欲的に取り組むことで、候補者に選ばれる企業になっていきたいですね。

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