Web通販の可能性

地域マーケティング実践講座の第8回目は、「自社EC(通販)サイトの構築・導入により期待できる効果」をテーマに、株式会社自然の都代表取締役、田中耕太郎さんを講師にお招きいたしました。


田中さんは都城市出身。「おいしいだけでなく、安心、安全、健康に気を配った食事をつくってくれる、そんなニッポンのおかあちゃんになること」を理念とし、宮崎の食にこだわったネットショップ「タマチャンショップ」を運営されています。タマチャンショップはなんと、2012 年楽天ショップオブザイヤー食品ジャンル賞、2013 年楽天年間ランキング賞品を受賞し、楽天のショップオブザイヤーを5年連続受賞。そして20178月、都城市にてタマチャンショップのリアル店舗がオープンしました。

田中さんは基本的に人見知りで、「会社のスミッコで仕事をしている時が幸せ」と話されていましたが、非常に仕事に対しアツく、参加者の質問に対しても情熱を持って応えてくださいました。それでは、講義の一部を紹介します。

Web通販の可能性

現在、タマチャンショップは本店とamazonや楽天といったモール8店舗で運営しています。もちろん、実店舗を持てば、コスメの体験ができたり、試食ができたり、お客様と顔なじみになれるメリットがありますが、ECサイトを開くことで、可能性を開くことができます。例えば、リアル店舗では1日の集客・売上に限界があるのに対し、ECサイトでは全国、全世界に向けて商圏が広がり、24時間販売することができ、24時間従業員が稼働しなくても注文を受けることができ、さらにまだまだ市場は伸びる可能性があります。

もちろん、同業他社との価格競争になりやすい、写真と文章だけでは魅力を伝えられない、使用着用ができないなどといったデメリットもありますが、だからこそタマチャンショップでは徹底的にサイトのコピーやデザインをこだわっています。

 

ダンボールひとつが美女かイケメンか

Web通販は、リアルにお客様と対面できないぶん、お客様に接するサイトや商品そのものがブランドイメージを左右させます。だからこそ、1商品のページを作るのに丸々1日かけてデザインを1mm単位でこだわったり、梱包ではダンボールが「イケメン」「美女」となるように、綺麗に包むよう配慮したり、お客様の手元に届くまでを徹底的にブランディングしているそうです。

秒速で雑穀を売る男

タマチャンショップの看板商品といえば「三十雑穀」。実店舗でセールを行った際、1日の売り上げが100個だとしたら、楽天セール時には1日で数万個売り上げるそうです。そんなことから、田中さんは「秒速で雑穀を売る男」と言われたこともあるそうですが、なぜこれほどまでにこの雑穀が人気を得たのでしょうか。その理由は、「30種類」も多く雑穀が入っている商品は、他社にないということ。それまで10種類程度入った雑穀が一番人気を集めていましたが、その商品を抜き、雑穀で選ばれ1位を獲得するには、「オンリーワン」になる必要がありました。そこで、農家さんに掛け合って雑穀の種類を他社を大幅に引き離す30種類まで増やし、狙いはみごと的中。爆発的な人気を得ることができました。

商品の立ち位置

オンリーワンになる商品を開発することに加え、商品開発をする上で大切なのは、ネットショップでも、商品には立ち位置があるということ。つまり、商品は「柱的商品」「入口商品」「同梱商品」に分けることができ、ポイントとして入口商品は「売れること」と「会社のコンセプトにあっていること」だそうです。

タマチャン情熱大陸

実は田中さん。ECサイトを始めたことろは、売上ゼロ、パソコン知識ゼロからの挑戦でした。しかし、その壁をはねのけ、楽天のショップオブザイヤーを5年連続受賞し、リアル店舗のオープンまでこぎつけたのは、「情熱」があったから。情熱は、ビジネスにおいて突破力になります。「納得できない商品は出したくない」「セールが始まっても1mm単位でサイトデザインを修正する」といったこだわりが、お客様の心を動かすのです。

 

信用が価値になる

後半は地域マーケティング実践講座を監修された齋藤潤一さんとの対談が行われました。齋藤さんが「これだけ情熱を持ってできるのはなぜ?」という質問が出ました。それに対し田中さんは「自分が信じて作ったサイトの感覚を好きと言うお客さんがいると知った時に、使命感を感じた」と話されました。また、末期がんで余命1ヶ月と宣告されたお客様が、タマチャンショップで購入した商品を中心とした食生活を送ったところ、5年間生き延びることができたと知った時、より使命感を感じたとともに、より食に対して興味を持つようになったそうです。

そんな田中さんの心からの情熱が、多くのファンを生んでいます。情報社会だからこそ、本質が求められる時代。信用が価値となり、本物が生き残っていくと、田中さんは講座を締めくくりました。

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